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『クレイニアム』配信中
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クレイニアム|第三十一章【支援者先行公開】
「僕が買い手を探しますよ。もしピン博士が売る気なら」
「そうですか?」
ピンは今、自分がソンウットと並んで座っていることに気づいた。その隣では、ブアが目の前の食事に夢中で、会話などまるで耳に入っていない様子だった。
実際のところ、ブアには古物売買の知識などほとんどない。名前だけは耳にしたことがあるが、深入りするつもりもない世界だった。なにしろ、その業界はグレーな領域で成り立っている。取引の中には合法なものもあるが、不法ぎりぎりのものも少なくない。彼女にしてみれば、ただでさえ日々の業務に追われているのに、わざわざ首を突っ込む理由はなかった。……


クレイニアム|第三十章【支援者先行公開】
ピンはソンウットの誘いを受けて一緒に食事に行くと約束したものの、結局ブアと同行はしなかった。二人きりにした方が、彼から有益な話を聞けるかもしれないと考えたからだ。自分は店の外、黒い愛車のセダンで待つことにした。
ブアがわざわざ許可を求めてきた場面を思い出し、ピンは思わず口元を緩める。あの子は、自分が誤解するのを恐れたに違いない。
悪くない兆しだ。彼女の努力が少しずつ実を結びつつあるように思えた。
「本当に大丈夫?」……


クレイニアム|第二十九章【支援者先行公開】
「ブアさん、そのスカラベ、売る気はありませんか?」
その一文を、ブアは何度も何度も読み返していた。返信をどうすべきか決めかねている。ソンウットは、あのスカラベが彼女の物ではないことを知らないのだろう。
驚きながらも、彼女は指先で画面をなぞり、返事を打ち始めた。
「買いたい人がいるんですか?」
すぐに返ってきた文字は、熱を帯びていた。
「見つけられますよ。本物であれほど美しいなら、相当いい値になります。ブアさん、どこから手に入れたんです?」
「ピンヤーからです」
「そうですか」また返事。「実は前に頼まれたことがあったんですが、一度も入手できませんでした」
「そうなんですか?」ブアは指を走らせる。「私は何も知らないんです、詳しくなくて」送信キーを押す。「そのスカラベ、本当に高値なんですか?」……


クレイニアム|第二十八章【支援者先行公開】
ピンヤー博士の視線が、生物人類学研究所の最上階にある大会議室をゆっくりと見渡していた。いまこの場には、教授、研究者、大学院生、学生、そして報道陣を合わせて百二十人以上が集まっている。今日は研究所の設立記者会見の日。船頭を務めるのは所長のニサラー准教授で、その横に助手としてピンが控えていた。ブアは舞台袖に立ち、進行の様子を見守っている。
やがて会見が終わると、参加者たちはグループに分かれて研究所の各階を見学することになった。第一、二階は展示フロアで、人類学や人類誕生の歴史を紹介するセクション。三十体を超える祖先種のレプリカ、テナガザルや尾なし猿の骨格標本、ブアが動物園から借り受けたチンパンジーの骨格、さらには哺乳類各種の標本まで揃い、現生人類に至る進化の連なりが説明されていた。
「この個体はハビリスです」ピンの耳に、ブアの説明が届いた。熱心に聞き入る見学者の一人が驚いたように声を上げる。「私たちは最近入手したばかりです」
「本物ですか?」……


クレイニアム|第二十七章【支援者先行公開】
茶色の木箱。掌よりやや大きいほどのサイズで、蓋は透明のガラス。その箱が机の上に置かれており、ピンヤー博士はため息をつきながら十分以上それを見つめ続けていた。中に収められているものの価値は、下手をすれば大きな邸宅一軒分に匹敵する。数日前、指導教授がそれを彼女に手渡したのだ。
最初、ピンは当然のように止められるだろうと思った。そんな法外なものを渡すはずがないと。だが教授はただ、何度見ても安心感を抱かせるあの微笑を浮かべ、ためらうことなく戸棚からそれを取り出して差し出した。……


クレイニアム|第二十六章【支援者先行公開】
「ねえ、バイブア」夕暮れ時、ピンの声が響いた。ふたりは研究所から戻ったばかりで、ブアの部屋で夕食の支度をしていた。彼女の手には、学術誌掲載に向けて最終確認をしている研究論文の原稿がある。
これは、卒業後はじめて査読を通った、記念すべき論文だった。
ビールを開けて腰を下ろしたピンの呼びかけに、ブアは眼鏡越しに顔を上げ、眉をひそめる。
「なに?」……


クレイニアム|第二十五章【支援者先行公開】
「おお……今日はピン博士が朝からラボに来てる」
生体人類学研究所のラボ主任がからかうような口調で言った。副所長が白衣姿でドアをくぐるのを見てのことだ。彼女は二カ月以上前に墜落した航空機の犠牲者の身元特定を手伝うと約束していた。現在までに九名が確認済みである。「先にレモングラスでも立てといて、雨が降るから」
ふざけた調子でそう言いながらすれ違った瞬間、ピンは足を突き出してブアを転ばせようとした。だが即座に引っ込める。ブアもすぐに身をひねってかわした。
「ピン! もし私が頭打ったらどうすんの!」……


クレイニアム|第二十四章【支援者先行公開】
ピンは研究棟の中にある自然人類学ラボへと足を運んだ。目に入ったのは、例の厄介なミイラ頭蓋の前に立つラボ主任の姿だった。白いラテックスで作られたクリーンなレプリカを前に、ブアは訪問者に気づいても振り返らなかった。
頭蓋の額中央には白いピンが一本だけ打ち込まれ、アルファベットの【B】が記されている。そこは「グラベラ」と呼ばれる部位で、眉間の最も隆起した点と顔の正中線が交差する箇所だ。ブアは、このような計測点を少なくとも十六か所は打ち込んで、組織や筋肉の厚みを設定してからでなければ造形を始められない。
こうした計測点――オステオメトリック・マーカーと総称される――は、頭蓋に限らず上腕骨や大腿骨など、すべての骨に存在する。……
『シークレット・オブ・アス』配信中
ミーナム先生の『シークレット・オブ・アス』(The Secret of Us/ใจซ่อนรัก)を支援者先行公開中!!


【最終話】シークレット・オブ・アス|特別編 第二章 第五話【支援者先行公開】
二日経つと、女優の病状はかなり良くなっていて、特別担当医であるラダーも満足するほどになった。もっとも、何度か恋人を拗ねさせてしまったこともある。化粧品メーカーからイベント出演の依頼が来ても、まだ多くの人が集まる場所へは行かせたくないと断ってしまったのだ。本人はもう治ったと言い張っていたけれど。
ラダーは、ベッドで昼寝している女性の寝顔を微笑みながら見つめていた。どれだけ言い合ったとしても、結局は些細なことで、私たちはよく理解し合える。わかり合えないことがあるときは、二人で一緒に乗り越えてきた日々や、一度離ればなれになった過去の出来事を思い出せばいい。
だから今起きている些細な誤解なんて……


シークレット・オブ・アス|特別編 第二章 第四話【支援者先行公開】
「スージーねえさん、アーンのニュースのこと、ちゃんと話してよね?」
「えっ、ニュースって? 最近はアーンちゃんのニュースなんてないわよ?」 スージーは、所属する女優のスケジュールを確認しているところだったが、問い詰めるアーンちゃんの視線から逃げるように視線を逸らした。
「とぼけないでよ」
「とぼけるって何のことよ。もう、訳が分かんない!」 ……


シークレット・オブ・アス|特別編 第二章 第三話【支援者先行公開】
私たちの甘いお仕置き……。


シークレット・オブ・アス|特別編 第二章 第二話【支援者先行公開】
シークレット・オブ・アス
特別編 第二章 第二話
早朝の目覚まし時計が鳴ると、ラダーは急いで止めた。愛する人が甘い夢から覚めてしまわないように。まだ朝の五時半だ。アーンはまだ柔らかなベッドの上で眠っているべき時間だが、ラダーはこの時間に起きることが毎日の習慣になっている。
ラダーはそっと恋人の滑らかな額に優しく口づけをすると、音を立てないようにベッドから抜け出した。……


シークレット・オブ・アス|特別編 第二章 第一話 後編【支援者先行公開】
女性の可愛らしい微笑みに促され、ラダーは急いで足を速めた。今夜は、ここで勉強しているタイ人学生グループの卒業祝いのパーティー。帰国を決めた人もいるため、それぞれが新たな役目を担うための別れの宴でもある。
高級なペントハウスに入ると、ラダーは長いコートを脱ぎ、先に置かれていた他人のコートとは少し離して置いた。すると、まっすぐ近づいてきた女性が笑顔で迎える。
「遅かったですね」


シークレット・オブ・アス|特別編 第二章 第一話 前編【支援者先行公開】
ラダーは開きっぱなしの書類を疲れた目で見つめていた。誰だっけ、管理職は楽だなんて言った人は。全然楽なんかじゃない。病院を発展させて利益を上げてスタッフへの報酬を出すためには、ずっと頭を使わなきゃならない。
彼女が本当に望んでいたのは、患者を治療する一医師として働くことだけで、病院の管理職につくことなんかじゃない。でも、どんなに嫌でも避けられない。だってセントキング病院は曽祖父の代からお父様へと受け継がれてきた家族の事業で、お父様の代には誰もが認める立派な病院へと成長したから。


シークレット・オブ・アス|特別編 第一章 第三話【支援者先行公開】
有名大学医学部の講義室に、次々と入ってくる二年生の医学生たち。開始時刻が近づくにつれて、彼らは急いで席を確保し始めた。なぜなら、今日の講義を担当するのは美しい女性医師のファーラダー・ターナヌサック先生で、今や医学生全員が彼女の講義に参加したがっていたからだ。


シークレット・オブ・アス|特別編 第一章 第二話 後編【支援者先行公開】
女優サニターダー・ポンピパットのささやかな誕生日パーティーは、芸能界の先輩が経営するプライベート感漂うレストランで開かれていた。すべての段取りはその先輩が自ら買って出たものだったが、どうやら主役本人だけが賑やかな雰囲気を楽しめずにいるようだった。毎日欠かさず連絡をくれるはずの人から、まだ連絡が来ていないのだ。
『ロイヤル・ピン』配信中!
モンメウ先生の『ロイヤル・ピン』(PinPak / The Loyal Pin)を配信しています!


【最終回】ロイヤル・ピン|特別編 第十章 アナッター【限定公開】
カランカラン。
入店を告げる鈴音が鳴ると、Depend on Uの三人のオーナーが一斉に視線を向けた。そこに入ってきたのは、初めて見る女性客。長身で、羨ましいほどスベスベとして透き通るような肌が目を引く。彼女は白いシャツと青のジーンズをさらりと着こなしていた。……


ロイヤル・ピン|特別編 第九章 プリックプリック 第四話【限定公開】
プリックは、母であるユアンの手伝いで、前翼宮の台盤所で唐辛子の下処理をしていた。ふと、台盤所に何やら良い匂いが漂い始めたことに気づき、プリックは手を止めた。よく効く鼻を犬のように機能させながら、周囲に疑問を投げかける。
「誰が何を焼いているのかなあ」台盤所中に響き渡る声で……


ロイヤル・ピン|特別編 第九章 プリックプリック 第三話【限定公開】
「テーンさんっ」あのプリックが、自分に近づこうとする男性の名前を初めて間違わずに呼ぶという、まさに歴史的な瞬間が訪れた。「ここで一度舟を止めてほしいの。蓮を集めて、夕食のゲーンにしたいから」……


ロイヤル・ピン|特別編 第九章 プリックプリック 第二話【限定公開】
今日は猛暑が続く夏のある日。アノン王子の側近であるプロックが、蓮宮のお偉い様、あるいは代理人に当たる人間と、アノン王子の第一子に当たるインオーンニダー・サウェタワリット王女について話をしに来たのである。このプロックという男は、ただの部下にとどまらず、アノン王子と……


ロイヤル・ピン|特別編 第九章 プリックプリック 第一話【限定公開】
「そこの見目麗しい魅力的な才女さん」
「突然呼び掛けて何よ。しかも才女さんって」
数日後にアリサー妃の御誕生祝賀会が控える中、プリックは花輪を編むための茉莉花に追われて忙しくしている。そんな中、日焼けした肌に毛むくじゃらの髭を蓄えた男が声をかけてきた。プリックは……


ロイヤル・ピン|特別編 第八章 横やり 第四話【限定公開】
「そして、王子様とお姫様は、末永く幸せに暮らしていくことになりました。めでたし、めでたし」
ピンがアリンのお気に入りの童話を読み終えると、少女は眠そうな目をピンに向けてきた。その無邪気な姿に、ピンは耐え切れず、そっと少女の頬にキスをして甘い声で……


ロイヤル・ピン|特別編 第八章 横やり 第三話【限定公開】
ところ変わって雪が降り積もる前庭では、もう一つの出来事が繰り広げられていた。レディ・アリンの確保に失敗したプリックが足を滑らせ、大きく足を上げながら雪の中に転げ落ちる。一方のアリンは、プリックに追いかけられながら雪玉を投げつけて反撃し、二人の争いは雪合戦の様相を呈していた。


ロイヤル・ピン|特別編 第八章 横やり 第二話【限定公開】
「プリック姉さん。さあ、私を捕まえてみてください」
「そんなに速く走らないでくださいよ、レディ・アリン。こんなに雪が積もっていては、追いつけるものも追いつけません」
積もりに積もった雪によって、アナン王子の宮殿の前庭には……
『ギャップ・ピンクセオリー』
チャオプラノイ先生の小説『ギャップ・ピンクセオリー』配信版も支援者の方は全話読めます!


『ギャップ・ピンクセオリー』がほんまる書店神保町で買えるようになりました!!
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ギャップ・ピンクセオリー|特別章 【限定公開】
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【最終話】ギャップ・ピンクセオリー|サムのセオリー 第十話【限定公開】
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ギャップ・ピンクセオリー|サムのセオリー 第九話【限定公開】
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ギャップ・ピンクセオリー|サムのセオリー 第八話【限定公開】
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ギャップ・ピンクセオリー|サムのセオリー 第七話【限定公開】
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ギャップ・ピンクセオリー|サムのセオリー 第六話【限定公開】
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ギャップ・ピンクセオリー|サムのセオリー 第五話【限定公開】
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