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シークレット・オブ・アス|特別編 第一章 第二話 後編【支援者先行公開】

  • ミーナム
  • 2 日前
  • 読了時間: 18分


シークレット・オブ・アス 特別編

シークレット・オブ・アス 特別編 第一章 第二話 後編

 女優サニターダー・ポンピパットのささやかな誕生日パーティーは、芸能界の先輩が経営するプライベート感漂うレストランで開かれていた。すべての段取りはその先輩が自ら買って出たものだったが、どうやら主役本人だけが賑やかな雰囲気を楽しめずにいるようだった。毎日欠かさず連絡をくれるはずの人から、まだ連絡が来ていないのだ。

 タイはもうすぐ夜の十時になる。イギリスはそろそろ午後三時頃だろうか。今日はセンセイが参加していた会議の最終日。普通ならメールや電話で、すぐ帰国するか、それとも研究のため教授と話をするためにもう少し滞在するかを知らせてくるはずなのに……。

 女性はたくさんの祝福の言葉やプレゼントを受け取りながらも、心の中では今すぐイギリス行きの航空券を予約してしまいたい気分だった。突然連絡が途絶えてしまい、心配で気が狂いそうだった。

 ほどなくして女性は、自分の誕生日会場からの早めの退席に成功した。後のことはマネージャーに任せればいい。今は連絡が途絶えた恋人が心配で、内心焦りながら笑顔を取り繕うことなど耐えられなかった。

 しかし、急いで自分のプライベートルームに戻った途端、あらゆる視線から解放されたその安全な空間で、女優は思わず口を手で覆い、嗚咽をこらえることになった。視線の先には「ハッピーバースデー。いとしい人へ」と書かれたメッセージボードと、天井に浮かぶカラフルな風船たち。こんなサプライズを用意できるのは、リビングのソファで静かに眠っているあの女性しかいない。さらに、小さなテーブルの上には、白いユリと大きな赤いバラでまとめられた見事な花束まで置かれていた。

 ラダーはきっと待ちくたびれて寝てしまったのだろう。その姿を見ていると、自分がセンセイの誕生日を祝った時と同じだと思った。あの時は逆にサニターダーが寝落ちしてしまったのだ。彼女は恋しさに胸を締め付けられながら、静かに眠る恋人の顔を見つめる。ほんの短い間でも連絡が途絶えただけで、心が燃えるように熱くなる。細い指で頬にかかる髪をそっとかき上げ、愛おしさを込めて頬にキスをした。

 濡れたタオルの感触と、なじみ深い香水の香りに、ラダーはゆっくりと目を覚ました。優しく顔を拭いてくれている柔らかな手を握る。遠距離移動で深い眠りに落ちた自分を、どう起こせばいいのか彼女が一番よく知っている。

「ハッピーバースデー。まだ間に合った?」

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