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ロイヤル・ピン|特別編 第九章 プリックプリック 第三話【限定公開】



ロイヤル・ピン特別編

特別編

第九章 プリックプリック

第三話 


「テーンさんっ」あのプリックが、自分に近づこうとする男性の名前を初めて間違わずに呼ぶという、まさに歴史的な瞬間が訪れた。「ここで一度舟を止めてほしいの。蓮を集めて、夕食のゲーン*にしたいから」


 ここはパッタミカ王女が所有する蓮宮のため池である。プリックは、目の前にいる勇ましい身体を持つ青年に向かい、目をキラキラと輝かせながら、全力で可愛らしさを振り撒いてお願いをした。彼はプリックとのささやかな舟旅を楽しむために、焦らずゆっくりと舟を漕いでいる。さらに彼は、上半身に着ている服のボタンをいくつか外し、自慢の腹筋をわざと見えるようにして、プリックの興味を引こうとしていた。その圧倒的に鍛え上げられた身体に、プリックも思わず視線を向けずにはいられないようだ。


「それでいいのかい、プリック? 僕がこうして舟を漕いでいるのは、君と話したいからなんだ。もし君が蓮花莖を採取するとなると、二人で話をする時間が取れなくなるんじゃないかと心配だよ」


「でも、私、あれよ。余った時間で、あなたに蓮花莖のゲーンを作ってあげようと思っているけど」プリックはそう言うと、微笑みを浮かべる。「嫌かな?」


「ゲーンは母さんに作ってもらうこともできるからなあ」テーンは優しい目を浮かべて、プリックを見上げるように視線を合わせた。「でも、母さんとこんな風に舟に乗ることはないからね」


「私、お腹が空いてるの……」プリックは自分の子犬のようなお腹を指差した。「今日の食事は、私のお腹をまだ少しも満たしてくれていないの」


「でも、今日ペンおばさんの作ったクワイティヤオの炒め物を、タライいっぱいに食べていたじゃないか」


「もう、どこまで知っているのよ、この物知り男。今日の夕食に蓮花莖のゲーンを食べたいの。何か文句でもあるの?」

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