シークレット・オブ・アス|特別編 第一章 第三話【支援者先行公開】
- ミーナム
- 8月30日
- 読了時間: 15分

シークレット・オブ・アス 特別編 第一章 第三話
有名大学医学部の講義室に、次々と入ってくる二年生の医学生たち。開始時刻が近づくにつれて、彼らは急いで席を確保し始めた。なぜなら、今日の講義を担当するのは美しい女性医師のファーラダー・ターナヌサック先生で、今や医学生全員が彼女の講義に参加したがっていたからだ。
講義室の視線は全て、美しい微笑みを浮かべながら入室してきたラダー先生に集中していた。講義は楽しく進められたが、時には先生が少し厳しい態度を見せることもあった。授業時間は大学が決めた通りに終了した。
ラダー先生は、質問しにやって来た何人かの学生に微笑みかけた。彼女が「授業の内容で分からないところがあれば、質問してもいいですよ」と言った後のことだった。しかし、多くの医学生は授業とは関係のない質問ばかりをしているようで、彼女はその好奇心旺盛な様子に思わず微笑ましく首を横に振った。
「先生、恋人はいますか?」
「先生の特別な人って、噂通りあの有名な芸能人なんですか?」
「授業について質問してくださいね?」穏やかながら冷静な口調で返すと、学生たちは次第に散っていった。次の授業の準備もあるため、先生も講義室を後にした。
その日の授業が全て終了すると、ラダーは急いで身支度を整え、医学部の駐車場に向かった。きっと待ちくたびれて不機嫌な顔をしているであろう人を思い浮かべながら。
ラダーは週に三日、午前中だけ大学で講義を担当していた。午後はセントキング病院での勤務があるからだ。だが、今週は大学側の要請で日曜日にも講義が入り、恋人はせっかくの二人の朝の時間を奪われて不満を漏らしていた。
駐車場に見慣れたナンバーの高級車が待っているのを見て、ラダー医師は思わず笑みを浮かべた。今日は二人でランチの予定だったが、後ろから学生に呼び止められ、車の目前で立ち止まらざるを得なかった。
「先生、ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど……」
「何ですか?」先生は目の前の可愛い医学生たちを思わず観察してしまった。彼女たちは全員ブランド品を身につけていた。昔の彼女はブランドに興味がなかったが、今は待っている車の中の人物に無理やり買い与えられ、使わされているうちに詳しくなった。しかも最近では、その恋人が時折ブランドのアンバサダーを務めることもある。
「先生、特別な方はいらっしゃいますか?」





