九
他の人なら、自分が求めていることを基準に、それぞれの条件と擦り合わせて選ぶと思う。でも、あたしにとっては、どんなにこのチビモンのことが好きでも、自分のルールを守らないといけない。
約束を守る。
自分を育ててくれた人を突き放して、会えたばかりの人と一緒に暮らすっていう自分勝手な選択はできない。モンから見たら、不公平な決断に見えたかもしれない。けど、あたしはおばあ様を見捨てられないの。おばあ様にとって、残っている家族は、あたし一人だから。ヌンさんはいなくなってしまったし、あたしまでそんなことをしたら、おばあ様が可哀想な人になっちゃう。
あたし達姉妹を守ってくれる人がいなくなったあの日々に、手を差し伸べて助けてくれたのはおばあ様だった。だから、あたしはおばあ様を離したりしない……。
そう……あたしはもう決めたんだ。
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