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シークレット・オブ・アス|特別編 第二章 第二話【支援者先行公開】

  • ミーナム
  • 9月7日
  • 読了時間: 15分


シークレット・オブ・アス 特別編

シークレット・オブ・アス 特別編 第二章 第二話

 早朝の目覚まし時計が鳴ると、ラダーは急いで止めた。愛する人が甘い夢から覚めてしまわないように。まだ朝の五時半だ。アーンはまだ柔らかなベッドの上で眠っているべき時間だが、ラダーはこの時間に起きることが毎日の習慣になっている。

 ラダーはそっと恋人の滑らかな額に優しく口づけをすると、音を立てないようにベッドから抜け出した。

「ラダーセンセイ」

 寝ぼけた恋人の声を聞き、薄い寝間着を脱ぎかけていたラダーは慌ててベッドに戻った。恋人はまだ眠っているべきなのに、起きそうな気配を見せていたからだ。

「もう少し寝てて。まだ五時半だよ」

 ラダーは恋人の薄い唇にキスを落とし、眠そうな手に自分の手を握らせた。彼女が完全に眠るまで、そばで待つしかなさそうだ。自分の時間が少し削られてしまうけれど、愛する人がしっかり休息を取れるのなら、それは喜んでできることだ。

 ラダーが仕事に出てしばらくすると、女優はようやく目を覚ました。スケジュールがある日にはいつも決まったように電話をかけてくる相手の着信音とともに。

「アーン、起きましたよ、スージーねえさん」

「もうすぐ着くからね、アーンちゃん。あと二時間で昨晩伝えたイベントよ」

「はい、ちゃんと覚えてますよ、スージーねえさん」

 女優はマネージャーからの電話を切ると、微笑んだ。バスローブとタオルが綺麗に用意されている。ファーラダーセンセイは本当に細やかな気配りが完璧だ。こんなに素敵な人を、どうして愛さずにいられるだろうか。

 簡単な朝食がテーブルに整然と並べられているのを見ると、仕事に向かう準備を終えた女優は幸せそうに微笑んだ。毎朝のように、最愛のセンセイが早起きして朝食を作ってくれている。ただ、二人の休日だけは自分がセンセイに朝食を作るのだが。

「もう、スージーねえさんはアーンちゃんが羨ましいわ」

「何が羨ましいんですか?」

「そりゃ、ファーラダー先生みたいな素敵な恋人がいることよ」本当に羨ましい限りだ。ファーラダー医師はどんなに忙しくても恋人の世話を怠らない。今日だってアーンちゃんによると、先生は早朝からセミナーがあるのに、いつものように朝食を作ってくれたのだ。

「スージーねえさんの分の朝食もありますよ」ファーラダーセンセイは自分だけではなく周囲の人間のことも気にかけてくれる。だからずっとスージーねえさんはセンセイのことを尊敬の眼差しで見るようになっている。今ではちょっとした揉め事があると、スージーねえさんはセンセイの味方をするようになった。以前は自分の味方だったのに。

「ファーラダー先生みたいな人、好きにならないほうがおかしいわよね?」

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