【最終話】シークレット・オブ・アス|特別編 第二章 第五話【支援者先行公開】
- ミーナム
- 9月20日
- 読了時間: 10分

シークレット・オブ・アス 特別編 第二章 第五話
二日経つと、女優の病状はかなり良くなっていて、特別担当医であるラダーも満足するほどになった。もっとも、何度か恋人を拗ねさせてしまったこともある。化粧品メーカーからイベント出演の依頼が来ても、まだ多くの人が集まる場所へは行かせたくないと断ってしまったのだ。本人はもう治ったと言い張っていたけれど。
ラダーは、ベッドで昼寝している女性の寝顔を微笑みながら見つめていた。どれだけ言い合ったとしても、結局は些細なことで、私たちはよく理解し合える。わかり合えないことがあるときは、二人で一緒に乗り越えてきた日々や、一度離ればなれになった過去の出来事を思い出せばいい。
だから今起きている些細な誤解なんて、私たち二人にとって本当に小さなことだ。ラダーの柔らかな手が、愛おしそうに女優の美しい顔をゆっくりと撫でた。初めてアーンちゃんに会った時、この子は興味深いと思ったと同時に可哀想だとも感じた。こんな幼いうちから外国で勉強しなければならないなんて、本来ならタイで友達と楽しく過ごしているべき年頃なのに、と。だからこそ、あの子と話すと見せる恥ずかしそうな表情に惹かれ、最終的には好意を示そうと決めたのだ。
「センセイ……」
「私のせいで起きちゃった?」
「いいえ、そんなことは……。アーン、どれくらい寝てたんですか?」彼女は昼食を食べて少し経った頃に眠くなった記憶しかなかった。起きた時には、ラダーがそばに座っていたのだ。
「もう二時間近くになりますよ」
「えっ、こんなに寝ちゃって夜眠れるかな?」普段、彼女は昼寝をしない。なぜなら、昼間に寝てしまうと夜眠れなくなるからだ。
「たくさん休んだほうがいいですよ」
「センセイも、ちゃんと休んでいますか?」彼女が体調を崩してからというもの、大好きな医師は、仕事を休んで付きっきりで看病してくれた。彼女が「もう治ったよ」と言っても、まだ仕事に戻ろうとせず、「一週間分の休暇届を出してあるから」と言ってそばにいてくれたのだ。実際のところ、彼女はただの寝不足による発熱で、そんなに深刻な病気ではなかったのに。
「私は眠くないですよ」
「ねえ、センセイ」
「はい?」
「アーンは本当に元気になったんですよ。 センセイはもう仕事に戻ってもいいですからね」彼女はラダーが仕事をどれほど愛しているか、どれだけ責任感を持っているかよく知っていた。
「一週間休みを取ったって言ったでしょう?」
「でも、アーンのせいでセンセイが仕事に影響したら嫌なんです」ラダーが、最近は診察業務と並行して病院経営の仕事も学ばなければならない状況を彼女は知っていた。それは医師にとってはとても大変な仕事だった。
「アーンも私も、働きすぎて一緒に過ごす時間が少なくなってたと思いません?」




