八
ただ、おばあ様の反逆者になることは簡単じゃない……心の奥では、勝ちたい気持ちがある。でもあたしは、おばあ様を悲しませたくなかった。
思い返せば、両親がこの世界から旅立って、おばあ様があたし達三人の面倒を見てくれた。あの時のことを思い出すと、おばあ様はあたし達にとって、父であり、母だった。厳しいときもあったけれど、おばあ様がどんなにあたし達のことを愛しているかって、感じられる。お姉さん達の考えは分からないけど、あたしにとっては、おばあ様はいつも甘えさせてくれて、なんでも与えてくれた。
「サムは小さい子だわ。可哀想に」
お城(ただの家)に訪ねてきた人がいたとき、おばあ様はいつもそう言っていた。だから、お客様からしたら、おばあ様があたしのことを特別目にかけてくれているというのが、一目瞭然だったと思う。おばあ様がそうしてくれるのは、あたしの身体が小さいからだって、よくそう聞いてた。それにたぶん、これはあたしが生まれたときの話に関係がある。あたしの体重は基準値よりも少なくて、同い年の子達に比べたら、小さ過ぎたみたい。だから、おばあ様はいつもあたしのお願いを叶えようとしてくれた。時々、ソンさんはそんなあたしを見て、口をへの字に曲げていることもあったけ。
「あたしも、小さい身体で生まれたかった。そうしたら、おばあ様がいっぱい甘えさせてくれるでしょう?」
Comments