十
モンに全てを説明した後、隣で横になっていたあたしのチビちゃんは、嬉しそうにニッコリ笑った。それから、いつものように手を出し、あたしの鼻で遊んでいた。今は二人とも裸で毛布を被ったまま、足を絡ませあっている。エアコンがよく効いている部屋なのに、肌は汗をかいてしっとりしている。さっきまでの直接的な愛情表現は、まるでどっちの方が相手のことを愛しているのか証明する勝負みたいだった。
結果は、どちらも負けず劣らずってところらしい……
「ここまで許してもらえるなんて、もう十分です。結婚式なんてサムさんにお願いしたこともないし」
「でもそうしたら、約束が守れなくなっちゃうよ。あたしは約束を守れなかったことがないのに」
「サムさんがちゃんと約束を守るタイプだって、分かっていますよ。会ったばかりの私じゃなくて、ずっと支えてくれたおばあ様を選んだ。その選択ができたサムさんをすごく誇りに思っています」
「どうして?」
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