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1 日前
ロイヤル・ピン|特別編 第九章 プリックプリック 第二話【限定公開】
今日は猛暑が続く夏のある日。アノン王子の側近であるプロックが、蓮宮のお偉い様、あるいは代理人に当たる人間と、アノン王子の第一子に当たるインオーンニダー・サウェタワリット王女について話をしに来たのである。このプロックという男は、ただの部下にとどまらず、アノン王子と……

3月9日
ロイヤル・ピン|特別編 第九章 プリックプリック 第一話【限定公開】
「そこの見目麗しい魅力的な才女さん」
「突然呼び掛けて何よ。しかも才女さんって」
数日後にアリサー妃の御誕生祝賀会が控える中、プリックは花輪を編むための茉莉花に追われて忙しくしている。そんな中、日焼けした肌に毛むくじゃらの髭を蓄えた男が声をかけてきた。プリックは……

3月8日
ロイヤル・ピン|特別編 第八章 横やり 第四話【限定公開】
「そして、王子様とお姫様は、末永く幸せに暮らしていくことになりました。めでたし、めでたし」
ピンがアリンのお気に入りの童話を読み終えると、少女は眠そうな目をピンに向けてきた。その無邪気な姿に、ピンは耐え切れず、そっと少女の頬にキスをして甘い声で……

2月23日
ロイヤル・ピン|特別編 第八章 横やり 第三話【限定公開】
ところ変わって雪が降り積もる前庭では、もう一つの出来事が繰り広げられていた。レディ・アリンの確保に失敗したプリックが足を滑らせ、大きく足を上げながら雪の中に転げ落ちる。一方のアリンは、プリックに追いかけられながら雪玉を投げつけて反撃し、二人の争いは雪合戦の様相を呈していた。

2月22日
ロイヤル・ピン|特別編 第八章 横やり 第二話【限定公開】
「プリック姉さん。さあ、私を捕まえてみてください」
「そんなに速く走らないでくださいよ、レディ・アリン。こんなに雪が積もっていては、追いつけるものも追いつけません」
積もりに積もった雪によって、アナン王子の宮殿の前庭には……

2月16日
ロイヤル・ピン|特別編 第八章 横やり 第一話【限定公開】
「随分昔、一緒に二人で雪を見れたらと考えたことは確かにありましたわ。でも、それが今日この日になるなんて、夢にも思いませんでした」
一枚の硝子で隔てられた室内から、外で自由気ままに降り積もる白い雪を眺めながら、ピンはそんなことを口にした。目の前には……

2月15日
ロイヤル・ピン|特別編 第七章 休日 第四話【限定公開】
「今日はお疲れではありませんか、アニン?」休日の一仕事を終えた私たちは、今、寝台に体を横たえながら談笑している。「休日なのに色々とやることばかりだったから」
「どんなに疲れていても、ピンさんほどではありませんよ」ピンさんからの気遣いを……

2月8日
ロイヤル・ピン|特別編 第七章 休日 第三話【限定公開】
「叔母様」
その日の午後、パーラワティ義姉さんがおチビさんを連れて私のもとにやってきた。アリンラダーは私がお気に入りのようで、まるで磁石が引かれ合うかのように、私の姿を見とめた途端に大急ぎで駆け寄ってきた。
「どうしたんですか、お嬢ちゃん?」

2月2日
ロイヤル・ピン|特別編 第七章 休日 第二話【限定公開】
『目の前で灼熱の炎を吐く邪悪な龍を前にしても、少年は怯える素振りを全く見せなかった。邪悪な龍がどれほど巨大で凶暴であろうと、伝説の剣を手にした少年には恐れるものなど何もなかった。
少年は天まで届くかというほどの崖を登り、黒き龍に向かい剣を突き立て……

2月1日
ロイヤル・ピン|特別編 第七章 休日 第一話【限定公開】
「アニン」
「……」
「アニン~……」耳元で聞こえる甘い声は、私を深い眠りへと誘うかのように心地良さ。覚醒と眠気の狭間にいる私の意識は、また遠のいていきそうになる。「もう日が昇ってから随分経ちましたよ......そろそろ起きてください」
私は両腕を広げ、目を閉じながら……

1月26日
ロイヤル・ピン|特別編 第六章 殿下 第四話【限定公開】
最近、私はあまりよく眠れていない。殿下の容体がこれまで以上に悪化しているからだ。殿下は私の前で一切弱音をおっしゃらない。しかし、もう何年も側近としてお側に仕えている私にはわかる。
夜闇が訪れると、私は……

1月25日
ロイヤル・ピン|特別編 第六章 殿下 第三話【限定公開】
パッタミカが私の側近として仕えるようになってから、もう七年が経つ。その七年目に入ってから、彼女が私の足元で自分の腕を枕にして眠っている光景をよく見るようになった。私の寝台の隣に敷いてある布団で寝るようにと、何度も声を掛けてみたのだが、どうやら聞く耳を持たれていないようだ。……
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