シークレット・オブ・アス|第三十章 だって、私たちは愛し合っているから【支援者先行公開】
- ミーナム
- 8月2日
- 読了時間: 16分

シークレット・オブ・アス 第三十章 だって、私たちは愛し合っているから
朝の公園には、新鮮な空気を吸おうと多くの人々が訪れている。大半は、朝早くから仕事に急ぐ必要もなく、急ぎの用事もない年配の方たちだ。プータレート医師は、楽しげに太極拳をしている高齢者のグループを見つめているうちに、思わず微笑んでしまった。自分もそろそろ、ああいうふうにゆったりと心を落ち着かせる歳になってきたのかもしれない。
「あなたはなぜ、私をここへ連れてきたのです? プータレート」医師は、思考の渦から引き戻された。ベンチに座っている妻が、彼の意図を理解できない様子で尋ねたのだ。
「あなたに自然を感じてもらおうと思ってね」
「自宅にも庭がありますのに。わざわざ車で出かける必要はありませんわ」ラッサミー夫人は、夫を理解できないように見つめ返した。末娘に関する報道がまだ消えない今は、外出する気になれないのだ。
同性愛者であることがニュースになった娘、医師ファーラダーのことを、恥じているわけではない。ただ、無意識に自分の手が娘の頬を打ってしまい、その瞬間、涙を流した娘の顔が脳裏から離れないのだ。「お母様は娘の幸せよりも名誉を選ぶのですね」という娘の言葉が胸に深く突き刺さり、いまだに痛みが消えずにいる。
「少しは気持ちが落ち着きましたか、ラッサミー?」
「あなたこそ、いかがです?」問い返されて、プータレート医師は最愛の妻の隣に腰を下ろし、そっと彼女の手を握った。
「ケムラット将軍と話して、私はだいぶ気が楽になったよ」
「信じられませんわね。将軍が娘さんのあんな愛を認めるなんて」ラッサミー夫人の声には、女性同士の愛を未だに受け入れられない感情がにじんでいた。現代の社会がかつてのように閉鎖的でないことを、彼女はまだ認められないのだ。
「初めは将軍もあなたと同じでした。娘に普通の生活を取り戻させようと、あなたの意見に従おうとしていました。でも、きっと親が子に対して持つ愛情が、娘の幸せを理解させたのでしょう。だからこそ、将軍も娘の望む形の愛を許したのですよ」
「あなたは、私が娘を愛していない、理解していないとおっしゃりたいのですか?」