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シークレット・オブ・アス|第二十七章 真実 前編【支援者先行公開】

  • ミーナム
  • 7月20日
  • 読了時間: 15分


シークレット・オブ・アス 第二十七章

シークレット・オブ・アス 第二十七章 真実 前編

 車が「ポンピパット家」の敷地内に入るとすぐに、女優はマネージャーに微笑みかけた。イタリアから昨晩戻ったばかりの彼女は今日、父と母、そして異母兄にお土産を届けるために帰宅したのだ。今日から一週間は休暇を取るとマネージャーに告げていた。

「アーンちゃん、スージーねえさんはここで待っていようか?」

「大丈夫です。スージーねえさんは用事を済ませてきてください。私はしばらく家でゆっくりしますから」

「終わったら電話してね」

「はい、スージーねえさん」車が去ると、女優は家の中へと入った。お手伝いの女性二人が、彼女が持ってきた荷物を受け取りに出迎えた。

「ご主人様と奥様が、リビングでアーン様をお待ちしております」

「ありがとうね、ソムスリー」

 家族のリビングは、贅沢を嫌う将軍である父の趣味に合わせて、今もなおシンプルなスタイルで整えられている。

 女優は両親に笑顔を向けると、小さい頃母に教えられたとおり、丁寧に両手を合わせて礼をした。

「お父さん、お母さん、すごく会いたかったです」

「本当にそう思ってるのか? あまり両親には会いに来ないくせに」異母兄、エーのからかいに、女優の顔が思わずゆがむ。兄は父が母と結婚する前からの連れ子だ。

「今日はお兄ちゃんも暇なんですか?」

「もちろん。イタリアからのお土産を受け取るために来たんだから」空軍に所属する美青年で、女性たちの人気を集める兄は、愛情を込めて妹の髪をくしゃっと撫でた。

 子供の頃、彼はなぜ実母が自分を世話してくれないのかと悲しんだこともあったが、大人になって人生の様々な事情を理解できるようになると、自分の実母は記憶もおぼつかないほど幼い時に天国へ行ってしまったことを知った。

「お兄ちゃんには、好きな油絵を買ってきましたよ」

「ありがとうな、妹よ」

「お母さんにはバッグ、お父さんには時計です」

「ファーラダー先生と一緒に旅行してきたのか?」父さんの静かな質問が、居間にいる皆の笑顔と動きを凍りつかせた。

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