シークレット・オブ・アス｜第二十二章 仲直りしよう【支援者先行公開】
- ミーナム
- 7月5日
- 読了時間: 16分
シークレット・オブ・アス 第二十二章 仲直りしよう
首都の中心にある有名デパートは、多くの人々でにぎわっていた。散策を楽しむ人、買い物をする人、夕食を楽しむ人々。その中に、著名な日本料理店で夕食の約束をしていた医師グループがいた。しかし、最後に入店してきたファーラダー医師は、仲の良い友人三人から一斉に注目を浴びてしまった。
「ラダー先生、なんで今日はデパートで食事なのよ？」唯一の男性医師が、全員の注文を済ませたあと、メニューを店員に返しながら尋ねた。
「お寿司が食べたかったから」
「嘘。普段あなた、デパートなんて来ないでしょ？」
「外にある日本料理店の方が断然美味しいし」ラダーを追及するのは、テーンだけではなかった。他の二人の医師も、疑惑の視線を送っていた。
「最近、やけに勘繰ってばかりいるのね、あんたたち」ラダーは表情こそ冷静だったが、内心はドキドキが止まらなかった。実は今日初めて、このデパートで女優との待ち合わせを受け入れたのだ。女優が自分のイメージキャラクターを務める商品のプロモーションイベントの会場に近かったためだ。
「あんたが怪しい行動するからでしょ？」
「それはそうと、結局アーンちゃんに振られた理由は聞いたのかしら？」料理が次々と運ばれてきても、ボウの好奇心は収まらない。
「聞いてない」
「じゃあどうするの？ またアーンちゃんとヨリを戻したってこと？」美味しい刺身を口に運びながらも、医師たちは次々と疑問を投げかける。美味しいものを食べることも大事だが、知りたい、ということも同じくらい重要なのだ。
「聞けば聞くほど傷つくかもしれないし、知らない方が良いこともあるでしょう」
「もう！ ラダー、その言葉めちゃくちゃ共感できる。私もあんたみたいに考えられたら、深く悩まず元カレと復縁できたのに」
「テーン、それはいいから。今日はラダー先生の話を聞きに来たんだから。あんたの元カレ話を聞きに来たわけじゃないの」プレムシニーはすぐさま友人を止めた。テーン先生の話が始まると、日本料理の夕食どころではなくなってしまうからだ。
「ラダー、本当に聞かないつもり？」
