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シークレット・オブ・アス|第二十一章 見えているもの【支援者先行公開】

  • ミーナム
  • 6月29日
  • 読了時間: 15分


シークレット・オブ・アス 第二十一章

シークレット・オブ・アス 第二十一章 見えているもの


 「ポンピパット邸」。大理石に刻まれた家の名前がはっきりと見える。白く美しい合金製の門が自動的にスライドして開く。屋敷から門までは結構距離があるが、わざわざ誰かが出てきて開ける必要もない。

 スージーは頭を上げ、白を基調としたクラシックな大邸宅を見上げた。ここに来るたび、いつも心がときめく。初めてこの家の持ち主と話をしたのは、アーンちゃんを芸能界に入れる許可を得ようと説得しに来た時だった。その時はほぼ諦めかけていたのだけれど。

 誰が想像できただろう。偶然ショッピングモール内の有名ファストフード店で出会ったあの美しい女性が、大将軍の娘であり、しかも由緒ある名家の母親を持ち、その一族は様々な事業の共同経営者だなんて。なのに両親とも娘に対してそれほど厳しくなく、比較的自由で好きなことをさせている。ただ何度もスージーに念を押したことといえば、娘をよく見守ってほしい、アーンちゃんを困らせたり悲しませたりすることがないように、ということだった。

 サニターダー・ポンピパットは、正式な契約書にサインした専属女優というわけではないが、報酬の取り決めや仕事の判断で揉めることはなく、よくあるフリーの女優に関するゴシップとは無縁だ。以前、人気女優イングファーとのカップリングが話題になった時は呼び出されてかなり緊張したけれど、結局二人からアーンちゃんの近況を聞かれただけだった。

「こんにちは、大将軍、奥様」スージーの甘い声が、使用人に案内されて客間に入った途端に響いた。休日にこうして二人揃って家にいるなんて、珍しいことだ。

「座りなさい」威厳ある態度は、大将軍がゴルフから戻ったばかりのような格好をしていても、スージーを緊張させるのに十分だった。

「今日は、何かご用でしょうか?」

「娘はどうだ」平然とした口調の質問に、オレンジジュースを飲もうとしたスージーの手が止まる。せめて一口飲めれば緊張もほぐれたかもしれないのに、大将軍はまったく協力してくれない。スージーはちょっと拗ねたい気分だった。

「アーンちゃんは元気です」

「仕事で何か問題はないか?」

「ございません。スージーが無理に仕事を取ってくることはありません。アーンちゃん自身が受けるかどうかを決めています」大将軍に誤解を与えないように慌てて説明する。仕事を取るのは自分だけれど、いつもアーンちゃんの意志を確認しているのだ。

「よろしい。何か問題があったらすぐ私に知らせなさい」

「はい」

「スージー、アーンが何か迷惑をかけたら遠慮なく言ってね」

「そんなことは全然ありません、奥様。アーンちゃんはとてもいい子です」ドラマに出てくるような奥様の柔らかな声に、スージーは急いで答えた。最初はアーンちゃんがジンタナー様の性格を受け継いでいると思っていたけれど、付き合ってみるとむしろ大将軍に似ているところが多いと気づいた。

「アーンはまだ子供だから、スージー、よろしくね」

「アーンはもう子供じゃない。そろそろ本人に任せてもいいだろう」

「あなたが無理やり娘を海外に留学させた時のように?」

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