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シークレット・オブ・アス|第十六章 夜【支援者先行公開】

  • ミーナム
  • 4 日前
  • 読了時間: 19分


シークレット・オブ・アス 第十六章

シークレット・オブ・アス 第十六章 夜

 L&Mグループの雑誌創刊十周年を祝う華やかなパーティーが、著名な高級クラブで開催された。クラブのオーナーは、長年芸能界で活躍する男性俳優だ。そんな背景もあって、写真の流出リスクには厳重な注意が払われていた。というのも、クラブ全体を貸切にしたわけではなく、一階は通常営業として一般客も出入りできる状態だったからだ。パーティー会場はクラブの二階を占めていた。

 色とりどりのドリンクが参加者たちの手に行き渡り、それを口に含むにつれて会話も賑やかさを増していく。白いショートドレスに身を包んだ女優・サニターダーは、L&Mグループの雑誌オーナーに笑顔で祝いの言葉をかけたあと、所属事務所が準備した高級ワインを贈った。今日は同じ事務所の女優仲間三人も一緒に祝いの席に駆けつけていた。

「アーンちゃん、何か飲みますか?」

「ボスさんはお客さんの対応してて。アーンは大丈夫ですから」

「本当ですか?」四十歳手前のその男性は、愛嬌ある笑顔をアーンに向けた。容姿も性格も申し分なく礼儀正しい彼女は、業界内の年上たちからとてもかわいがられている。少し人気が出ただけで態度が変わったり、敬意を欠いたりする俳優たちとは違うのだ。

「はい。他にもボスさんにお祝いを言いたい人がたくさんいるでしょう?」

「分かりました。何かあったら僕かスタッフに言ってくださいね」

「はーい」彼女は優しい雑誌業界の重鎮にもう一度笑顔を見せ、楽しそうな声がする芸能界の先輩たちのもとへ歩き始めた。だが、その途中で他の俳優のマネージャーと楽しげに話し込んでいる自分のマネージャーにチラッと目をやった。

 パーティーの雰囲気は盛り上がりを見せ、それぞれが徐々に本来の自分を解放し、楽しんでいる。しかし、女優サニターダーだけは、手にしたブルーの飲み物を静かに口に運びながら、どこか物憂げな表情を浮かべていた。そんな中、二人の女性の会話が彼女の耳を引きつけた。

「ラティさんどこ行った? 一階に降りて行くの見たけど」

「知り合いを見かけたらしいわよ」

「誰よ、あのラティさんが自分から会いに行くなんて」業界内では有名な話だが、このラティという女性は男性には興味がない。多くのドラマで悪役を演じる美人女優は、同性を好むという噂が広まっていた。

「あら、知らなかったの? ラティさん、ファーラダー先生に夢中みたいよ」

「ファーラダー先生って、女優より美人って噂の?」

「そう。そのファーラダー先生。最近ラティさんが事務所よりセントキング病院に行く方が多いのは、先生にこっそり会いに行ってるからだってみんな噂してるわ」

「まさか先生もこのパーティーに?」

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