クレイニアム|第十一章【支援者先行公開】
- Nalan
- 11月8日
- 読了時間: 13分
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小説『クレイニアム』 第十一章
「ねえ、私たち……いったい何してるの、ピン?」
そう問いながらも、ブアの視界に映っていたのは、心臓が跳ねるほど近づいてくる相手の唇だけだった。
「これって『心を開いた』って言えるんじゃないの?」ピンヤーの顔がさらに近づく。二人の唇の間に残された距離は、もうほとんどない。ブアは半ば横たわるようにソファに身を預けていた。背後を支えるのは、相手の左腕。
「私たち……ずっと犬猿の仲でしょ」その言葉は、まるでブアが自分自身に語りかけているかのようだった。
「じゃあ、そんな私に、今ここで『やめて』って言う?」
問いかけられた人物は、一瞬だけ沈黙した。
「……いいえ」返った声は答えではなく、許しだった。次の瞬間、熱を帯びた唇が飢えたように覆いかぶさり、ブアは抵抗する間もなく力を奪われる。
やがてピンヤーはゆっくりと唇を離した。
「……私、何してるんだろう」
今度は、ためらいを見せたのはピンヤーの方だった。一瞬、今まさに起きていることが何なのかを考えるかのように動きを止め、立ち去ろうとしたその体を、首の後ろに添えられたもう一人の手がそっと引き止めた。
「まだ……」ブアの震える声がそっとささやいた。「まだ、私……あなたにキスを返してないの」
さっきまでのためらいは、その一言であっけなく消え去った。
今度は、ブアの望むままに彼女は身を任せた。ピンヤーの体と唇は、無意識のうちに目の前の人へと引き寄せられていく。今起きていることが何なのか、確信は持てないまま——それでも彼女は、ただ心のままに動いた。
長年のライバル。顔を合わせれば罵り合い、互いを突き放してきたはずなのに……なぜ今、こんなことになっているのか。
ブアが今、あのピンヤーとキスをしているなんて……。








