【4 Elements】アース|第十九章「昨日も今日も、いつだってあなた」【支援者先行公開】
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小説『フォーエレメンツ:アース』 第十九章
昨日も今日も、いつだってあなた
「何から何まで本当にありがとうございました、ディンさん」
「ケーオの新しい出発がうまくいくよう、祈っています」
「ローズさんにもお詫びの言葉を伝えてください。自分がしてしまったこと全てが恥ずかしくて、とても顔を合わせられません。それから、ディンさんとローズさんが罪を問わないでくださったこと、本当に感謝しています」
「これからは幸せに暮らしてね。チェンマイに帰って、もしクラーおじさんが何か困ったことがあったり、足りないものがあったりしたら、いつでも言ってちょうだい」
「本当にありがとうございます、ディンさん。このご恩は、僕もケーオも一生忘れません」
ディンはワイ*を返した。年上の人に一方的にワイをさせるのは忍びなかったし、自分がしたことを大それた恩だとは思われたくなかった。ケーオが自分と、自分の愛する人の命を守る選択をしてくれたことへのお返しとして、できる限りのことをしたかっただけだ。古い友人同士、もうお互いに何も負い目のない関係でいたかった。
ケーオの転院手続きも、ディンが手配した。チェンマイの病院へ移って治療を続けるというのは、父娘二人の希望だった。クラーおじさんは、もう歳だから一生懸命働いてきた人生の終盤は静かに過ごしたいと言っていたし、ケーオも回復したらチェンマイで小さな商売を始めるつもりだという。ディンもそれが皆にとって一番いい選択だと思った。
ケーオの過ちを許すことはできても、少なくともローズの傍にいる以上、また部下として置くわけにはいかない——それはローズの心をこれ以上傷つけることになる。けれど、マハッタナコンの件が片づいたら速やかに全てを整理しようと思っていた矢先、ケーオを故郷に送り返すより先に、愛する人の方がディンの傍を離れることを選んでしまった。
ローズがティパコンおじさまをバンコクの病院に移してから、ちょうど一週間が経っていた。二人の間の連絡は途絶えていた。ローズが「少し距離を置いて、全てを見つめ直す時間がほしい」と言ったから、ディンの方から連絡する勇気が出なかったのだ。かつて、ディンは愛する人に約束した——ローズが「もういい」と言うまで見守り続けると。ローズが望むなら、手を離すと。
今、どれほど引き留めたくても——
ローズの決断を尊重して、ただ手を離すことしかできなかった。
「さようなら、ケーオ」
「さようなら、ディンさん」
十五年近くに及ぶ友情が、終着点に辿り着いた。これからは、それぞれの道を歩いていく。
別れが再会の可能性を閉ざすわけではない。けれどもし将来どこかで偶然出会うことがあったなら、ディンは願っていた——かつての友人と心からの笑顔を交わせることを。そしてその後は、互いに別々の道を歩き、二度と交わることなく進んでいくことを。
「ロムねえさんから聞いた通り、本当に抜け殻になってるじゃん」
「ファイ! なんで来たの、何も言わないで」
「嫁に捨てられた人の惨状を見に来たんだけど。姉貴がディンねえさんを振ったって聞いたよ」
「いきなり心臓えぐること言わないでよ。倒れてる人を見たら助けなさい」
「やだなあナームねえさん、ファイは倒れてる人がいたら追い打ちかける主義なの。待ってどうすんの」
だが、残念なことに、わざわざ農園まで揃って顔を出してくれた妹たちの賑やかな騒ぎも、ディンの意識を引き戻すことはできなかった。愛する人に別れを告げられたあの日から、農園の主はすっかり気力を失ってしまったようだった。
事件関連の処理は全て円満に片づけ、ケーオの件を最後に、二週間足らずで全てを終わらせた。あらゆる状況は収束し、罪を犯した者たちは法に基づいて裁かれた。
なのに、人生で最も大切な人は、もう傍にいない——。
「追い打ちでもいいよ、ファイ。踏みつけてくれても構わない。ローズのことは私が悪かったんだから。素直に非を認めるよ」
「……」
ファイは、いつもなら何か言い返すはずの一番上の姉が、何の反論もしないのをじっと見つめた。ロムはもう諦めたような表情を浮かべ、ナームは重苦しい気持ちでただ首を振り、この場にいる全員が頷くであろう感想を口にした。
「こりゃ相当重症だね、ディンねえさん」
「ローズさま、きっとディンさまのことが恋しいんですよ、ティパコンさま。バンコクに来てからずっと、ローズさまが明るくしてるところも、どこかに出かけたがるところも、私めは一度も見てないです」
「ローズはディンを恋しがってるのか?」


