特別編
第五章 二度目の夜
第三話
あれから後のほとんどの時間は、暖炉の前のソファに座りながら会話に花を咲かせていた。私が手紙には書かなかった、私の大学での友人の話や出来事についてアニンが色々と細かく聞いてきた。
アニンが愛くるしい仕草をしながら私に問いかけてくるものだから、私もその様子に負けて全てを曝け出さずにはいられなかった。私がスニーやタニットと話をしているとアニンは少しギクシャクとした反応をしていたけど、興味は最終的に私のことばかりへと向いていた。
アニンは手を絡めることから始めて、私の身体をソファにもたれかからせるように少しずつ覆い被さってくる。柔らかいベージュのクッションに横たわる私を見て、アニンは優しく満足そうな笑みを浮かべた。彼女が手を伸ばして私の髪をとかして耳の後ろにかけると、そこから頬に沿うよう指をなぞってくる。アニンは続けて、態勢をかがまると私のことを焦らすようにキスをしてきて、私の唇に生暖かさを感じる。
「こんなところで大丈夫なのかな、アニン……」アニンの覆い被さる唇が離れると私はすぐに声をかけた。「プリックに見られてしまいそうだわ」
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