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シークレット・オブ・アス|第十一章 口は強がり、心は素直【支援者先行公開】

  • ミーナム
  • 5月18日
  • 読了時間: 14分

更新日:8月6日


シークレット・オブ・アス 第十一章

シークレット・オブ・アス 第十一章 口は強がり、心は素直

 週末の穏やかなひと時、甥っ子と姪っ子がはしゃぐ声がプールサイドまで響いている。プールのそばに歩み寄ったばかりの医師、ファーラダーはその無邪気な声を聞いて、思わず笑みをこぼしてしまった。朝から「一緒に泳ごうよ」と、甥と姪のふたりは母親だけでなく、彼女にも甘え続けていた。

「「あ、ラダーおばちゃん来た!」」二人の声がプール中に響き渡り、母親は慌てて騒ぐ我が子たちを諫めた。

「大丈夫ですよ。ヌンとプレーはラダーと一緒でいいので」白い羽織ものをプールサイドの椅子に脱ぎ捨てると、下に着ていた黒いショートパンツのツーピース水着と、ボディラインが目立ちすぎないチェック柄の襟付きトップス姿の、ほんのりセクシーな体つきがあらわになった。

 ヌンとプレーのアイドルがプールに入った途端、母親は子供たちの相手からすっかり解放された。ふたりのちびっ子ギャングはラダーおばちゃんのもとに勢いよく駆け寄り、次から次へと質問攻めを始めた。その様子に、ラダーはむしろ退屈どころか楽しんでいるようだった。

「ラダー、今晩は何か予定がある?」

「いいえ、ゲート姉さん。どうかした?」今ちょうど姉が子供たちを義姉に引き渡しているところだったので、ラダーは振り返りながら尋ねた。

「お父さんからまだ何も聞いてない?」

「いいえ。お父さんからは特に何も聞いてないけど」そう答えながらも、ラダーはプールの中でいつものように軽く筋肉を動かし、リラックスした。

「今日はね、お父さんが病院の皮膚科の広告を撮影してくれる監督さんと女優さんを夕食に招待したのよ」

「どうしてですか?」

「あの日、時間を無駄にさせてしまったお詫びと、広告撮影の詳細について話すためだって」 姉の言葉を聞きながら、あの日撮影チームを待たせてしまったことを思い出し、ラダーは少し申し訳ない気持ちになった。

「私と一緒に撮影する女優さんって誰ですか?」

「さあね。お父さんとはその話をしてないから」ラダーは姉の言葉に頷いた。最初に起用されていた女優のことが頭をよぎったが、彼女自身が病院側に女優の変更を依頼していたため、すでに別の人が決まっているものだと思い込んでいた。

「夕食には私も参加するわ」姉はプールの中で楽しそうに甥と姪と遊ぶ末っ子を優しい微笑みで見つめた。

家族の誰もが心配していた。末っ子の妹は仕事に夢中になりすぎて、誰かと親密な関係を築く気配が全くなかったからだ。医師ファーラダー・ターナヌサックは美貌も財産も申し分ないが、今まで一度も誰かを家族に紹介したことがなかった。

 しかし、彼女の思惑通りには事が運ばなかった。広々としたダイニングルームには、広告監督とそのスタッフがふたり、そして何より、彼女が以前拒否した女優本人がいたのだ。それでもマナーとして食事の場に加わらないわけにはいかなかった。父親からの視線に、彼女はただ平静な表情で微笑みを返すことしかできなかった。

「皆さん、どうぞ楽にしてください。今日はリラックスしていただきたいんです」家長であるターナヌサック氏の声が、少し張り詰めた空気を和らげる。

「ありがとうございます、プータレートさん」監督も明らかに緊張した様子だった。あの時の医師と女優のやり取りを目撃した張本人でもある。まさかファーラダー医師が、勢いに乗る美人女優サニターターとの共演を拒否するとは、誰も思っていなかったのだ。

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