クレイニアム|第十二章【支援者先行公開】
- Nalan
- 11月9日
- 読了時間: 11分
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小説『クレイニアム』 第十二章
「ブア先輩、ちょうど今、先輩を探してたところなんです」
「何?」チンパンジーの骨を受け取るため、資料を見ながら廊下を歩いていた女医が顔を上げてそう答えた。「新しく来た研究員の方を、先生の代わりに迎えに行っていただけませんか?」オンがそう頼んできた。「先生もすぐに来られるんですけど、その方が先に到着してしまって」
「そうなの? あら……今日来るなんて知らなかった」
「さっき先生から連絡があったばかりなんです。正式な予定ではないみたいですが」
「うん、別に問題ないわ。これ、ちょっと持っててくれる?」そう言うと、ブアは手にしていた書類を目の前の女性に渡し、髪型を整え、眼鏡を直し、そして自分の襟元もきちんと引き締めた。
研究所に新しい研究員が来ることは、あらかじめ先生から聞いていた。だが自分が迎えることになるとは思っていなかったし、特に言い含められたわけでもない。もっとも、大したことではない。正式でないにせよ、客人を一人で待たせるのは見栄えが悪い。
「どう? 見た目」髪を指で整えながら尋ねる。
「ブア先輩はいつも可愛いですけど、今日は特に爽やかに見えますよ」オンはそう答えた。
「どの部屋?」
「上の小会議室です」
「分かった。じゃあオンはお茶を準備して後から来て」
「はい、ありがとうございます」
「どういたしまして」
ブアは特別来客用に設えられた会議室の扉の前に立つ。
この研究所に重要な客人が訪れるのは珍しい。ましてや仕事のために招かれることなど、設立から二年に満たない施設ではほとんどなかった。墓地の方が賑やかなほどだだ。ここで働く研究員のほとんどは准教授の院生で、数は十人に満たず、職員を合わせても三十人に届かない。
ブアは右手で軽く二、三度ノックし、扉を開けた。
「失礼いたします」
黒のスーツ姿の人物が背を向けて立っていた。その姿が妙に見覚えある。彼女は研究所裏手を流れる小さな支流を眺めている。
その瞬間、客人が振り返った。
「あなた……」ブアの目が大きく見開かれる。言葉が続かなかった。
「こんにちは、ブサヤー博士」来訪者は首を傾げ、からかうように微笑む。「また会ったわね」彼女は近寄り、ブアを抱き寄せる。昨夜も味わった感触の唇を、頬に押し当てた。
「どうしてここに?」ブアは問う。相手はなおも抱き締め、額を肩にあずけ、腕に力を込める。








