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【4 Elements】アース|第一章「マハッタナコンか、ワーティンワニットか」【支援者先行公開】

  • 1 日前
  • 読了時間: 20分


小説『フォーエレメンツ:アース』第一章

小説『フォーエレメンツ:アース』 第一章 マハッタナコンか、ワーティンワニットか

「もう泣かないで、ローズ。小さな傷だよ。お姉ちゃんがお薬つけてあげるから、すぐ治るからね」

「ディンはどけよ! ローズの面倒は俺が見る」

 十歳のディンは、自分よりずっと体の大きな男の子に肩を突き飛ばされ、よろめいて転んでしまった。同い年の子たちと比べても背が低く、小柄で病弱そうに見えるせいで、いつもからかわれたりいじめられたりしている。転んで膝をすりむき、じわりと血がにじんでいる年下の子を助ける力など、きっとないだろう——ワスが自ら名乗り出て面倒を見ると言い張ったのも、そういうことだった。

「ローズ、お兄ちゃんの背中においで」

「ワスお兄ちゃん」

「お兄ちゃんはローズを落としたりしないよ。ディンみたいにローズを転ばせて怪我させたりしないからな」

「ううん、ディンお姉ちゃんのせいじゃないの。わたしが自分でつまずいたの」

 涙でぐしゃぐしゃの顔をしながらも、四歳のローズはしゃくりあげつつ懸命にディンをかばった。ワスお兄ちゃんがお父さんに「ディンお姉ちゃんがいじめた」と言いつけるのが嫌だったのだ。本当はディンはいじめてなんかいない。ワスよりも先に駆けつけてくれたのは、ディンのほうだった。

 ただ、ディンは体が小さいからローズを背中に乗せて運ぶことができなかった。ワスのようにしっかりと背負ってあげる力がなかった。でも、ローズが振り返ると、ディンは決してそこから離れたりはしていなかった。ローズが落として泥だらけになった人形を拾い上げ、脱げた靴を手に持って、少し離れたところからずっとついてきてくれていた。

 まるで、いつも後ろからそっと見守るお姉ちゃん。陰で気にかけて世話を焼くけれど、手柄を主張するようなことはしない。かすかに残るローズの記憶の中で——

 ディンお姉ちゃんは、ワスお兄ちゃんほど上手に自分を守れない、弱い人だった。

 けれど、温かさのことを聞かれたなら、四歳のローズはきっとすぐにこう答えただろう。それだけは、ディンお姉ちゃんは誰にも負けない、と。


「すごくびっくりしたでしょう」

「はい!」

「さっき起きたこと」

「びっくりしました。あんなことがあったら、誰だって動揺しますよ」

「もう大丈夫。今日のところは、あの人たちも引き下がるはずだから」

 ローズは、先に話しかけてきたディンの横顔をちらりと見た。ディンがチョムジャン農園まで自分で送ると言い出し、デートおじさんとモッデーンには車でついてくるよう指示した。モッデーンは二つ返事で賛成したが、ローズは必死に目配せで断ろうとしていた。虎から逃れた後に、今度はワニに出くわすようなことにならないかと不安だったのだ。

 先ほども思ったように、ワスとの再会は予想をはるかに超えるものだった。十数年ぶりに会ったワスは、見違えるほど変わっていた。ましてやディンに至っては、なぜ助けに来てくれたのか、その意図すらつかめない。本当にただの偶然で、あのタイミングに居合わせたのだろうか。

 成長する過程で、世界がローズに悲観的なものの見方を教えたわけではない。けれど、今まさに直面しているこの重い状況が、ローズの中に誰をも完全には信じきれない感覚を植えつけていた。ナップアナン農園の人間であれ、センラック農園の人間であれ。お父さんの事故の詳細もまだわからず、今隣にいるこの人のことも、まだ十分には知らないのだから。

 とはいえ、ディンもまた変わっていた。しばらく観察しているうちに、つい昔の記憶が蘇ってきたけれど——かつて誰よりも小さくて病弱だったディンお姉ちゃんは、今ではすっかり大人になって、ローズより少し背が高くなっていた。しかも、ずいぶん芯が強く、落ち着いた佇まいになっている。何があっても動じない、怯まない——そんな風に見えた。

 いつからだろう、ディンが後ろに隠れなくなったのは。

 それどころか、ワスの前に毅然と立ちはだかって、ローズを守ってくれた——。

「あの、えっと……」

「何か聞きたいことがある?」

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