第二十五章 友達と彼女の違い
「やっと今年度一番、頭がおかしいカップルがお互いの気持ちを知ったってことね。応援サポートチームはめっちゃ疲れたんだから」
ケードさんはそう言いながらも、すごく嬉しそうな顔で拍手をした。まるで、私とサムさんの夢を叶えてあげたみたいに。恥ずかしさでうつむきながら、どんな顔をしていいか分からなくて私は困っていた。でも、なんというか……珍しいことなんだよね?
私達は二人とも女で、付き合ったばっかり。それなのに、お姉さん達はさも当たり前で普通のことみたいに、もはや誰でもそうしているわよ?くらいの勢いに見える。だから、どんな表情でいていいのかが分からない。ただできるのは、自分の手をモジモジと見つめることくらい。サムさんもずっと黙っているし。表情からは、その人が不安なのか、私みたいに恥ずかしくなっているのかが全然読めない。
「もう付き合ったけど、次は何をするのかな?」ティーさんは質問しながら、恋愛マスターのようにニヤリと意味ありげに笑った。「分からないことがあれば、聞いてもいいんだからね。私、そういうこと上手いから」
「あんたがモンに恋愛を教える必要があるかしら?」サムさんは友達にすごく低い声で尋ねた。その敵意剥き出しの態度に、ティーさんが笑い出す。
「おやおや……随分強いヤキモチだね。教えたい訳じゃないよ。ただ、“あのこと”はお前達が絶対分からないって思ったからさ。まっ、その時に聞いてもいいよ……私はエキスパートだからね」
恋愛初心者だから“あのこと”が何を意味しているのかあまり理解できていない。私にとって、サムさんは初めてのお付き合いする人。だから、この後どうしたらいいのか、正直まだ分からないの。
「それで……彼女になったら、前と何かが変わるってことですか?」