第二十二章 コンテンツ
ジムさんの結婚式の日以来、私とサムさんは何も話していない。結局あの日、私を家まで送ってくれたのはカークさんだった。連れてきたのは自分だから、自分が送るべきだって言い張って……。サムさんはもう三日間も会社に来ていない。いつもなら、死ぬほど頭が痛くたって、絶対に出社するのに。そんなサムさんが休んでいるから、会社のみんなもすごく驚いている。しかも、あの人は誰にも理由も言ってなくて……。
モン:サムさん、体調を崩していると聞きました。大丈夫ですか?
そう送ってみたけど……相手から何も返信がない。この三日間、私達はお互いメッセージを交わさずに、黙っていた。でも、どうしても心配で、様子を聞かなきゃって、今日もこうしてメッセージを送った。
既読の文字は現れた。でも、あとは何の反応もない。
私達、どうなっちゃったんだろう……。
あの日、サムさんが好きだから泣いているって言っちゃったから……こうなったのかな。あのせいで、本気の喧嘩になっちゃったんでしょう?こんなにも距離を感じているのはサムさんと出会ってから、今回が一番長い。
たとえ喧嘩していたって、サムさんのことを心配に思う気持ちには変わりない。だって、あのサムさんが三日も会社に来ていないんだもん。それに、家にはサムさん一人だけ。体調が悪い時に、お世話は誰が見てあげられるのかな?そんなことを考えていたら、終業時間になった時に、自然とサムさんの家に足が向いていた。勝手に来てしまった。素敵なあの黄色の車が、駐車場に停まっているのが見える、ということは、持ち主も家の中にいるね。
まるで、会社の初日みたいにドキドキする……。
ピーンポーン……