特別編
第三章 戀文
第三話
「また手紙が来たわよ、ピン」
ある日の学問所の食堂での昼食時、男女の取り持ち役を担う親友のウィライはまた私に手紙の入った封筒を渡して来た。キッパリと断る方法を覚えた私は、そんな仲介者の目の前で貰ったばかりの封筒を躊躇なく粉微塵に破り捨てた。
私の『非道』とも取れる返事を目の当たりにしたウィライは目を丸くしていて、私はすかさず彼女に親指を立てグッドサインを送った。その後は完膚なきまでに散り散りにした手紙の残り粕を丁寧に集め、ウィライの前へと戻してあげた。
「ピンもピンよね、本当に。冷酷非道ったらありゃしない」
「私がこうやってハッキリ言わないとウィライが前みたいに手紙を私の鞄に忍ばせてくるからじゃない」
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