二
「あんたが好き。あたしと付き合ってください」
仲良しグループの一員であるジムが今、あたしを社会学部がある校舎の屋上へ呼び出して、日本の少女漫画に出てくるみたいな学生のセーラー服で、モジモジと恥ずかしそうにしていた。あたしはそんな友達をチラッと見てから、手を伸ばし、おでこを強く叩いた。
バシッ!
「痛っ! バカ! なんで殴るのよ!?」
「さっきまで恥ずかしがってたのに」
「だから、なんであんたは私を殴ったのよ!」
「それで、告白? 何? バカなの?」
「だってあたしはあんたが好きだから」ジムは自分のことを「あたし」と呼んだり、ちょっと畏まって「私」に変えたりしていた。そして、自分を可愛く見せるかのように、髪の毛を耳へとかけた。
「あたしは、中学一年生の時から、ずっとあんたが好きよ」